この症例の難しい所は、手術(歯根端切除)を行い歯の根の先1/3を
取ってしまっている事です。
現状の歯の根の先には、かなり大きな穴が開いております。
この状態で歯の根の先を密封する事(根管充填)は不可能に近く、
仮に根管充填を行っても微妙な隙間ができ完治しないと思われます。
そこで、体に歯の根の先を閉じてもらう方法として「アペフィキシケーション」
を行うのですが、元来あった根の先を閉じる力を持った組織を手術で取って
しまっています。
完全なアペフィキシケーションは難しいのですが、通常ど通り根管内の汚染物質
を除去し、水酸化カルシウム療法を始めて5ヶ月後のレントゲン写真です。

溶けていた骨の再生は始まっています。
沢田歯科医院 院長
沢田 明義