先日、原因不明の歯肉の腫れと発赤を主訴とした患者さんが来られました。
1ヶ月程前から左上4番の根尖部(鼻の付け根)の歯肉が腫れ、歯科と
耳鼻科を受診したが、鼻(副鼻腔)も歯も異常なしと言う診断だったそうです。
ホームページを閲覧され当医院を受診されたのですが、歯の痛みも全く無く、
3年前に被せた陶器の歯が奇麗に入っていました。
一時に比べると歯肉の腫れ、発赤は引いている様ですが健康的な歯肉では
ありません。また従来の2次元のレントゲン写真では根尖部の異常は
認められませんでした。
この場所はフィネストレーションが疑われるため、CT装置による3D画像検査
を行うと、フィネストレーションが鮮明に映し出されました。

フィネストレーションとは、歯の根の先が顎骨より飛び出している状態の事です。
この患者さんのこの歯は元々軸が傾いて根の先が骨から飛び出していた様です、
根尖病巣が出来ても骨が無いので骨も溶けず、骨膜下に膿みが溜まり腫れたと
考えられます。
この3D画像を使った病状の説明は非常に解りやすく、術者側も想像以上に歯の
傾斜がきつかった事に驚きました。
この症例はCT装置でしか正確に診断出来なかったと思います。
沢田歯科医院 院長
沢田 明義