以前にも紹介しました3Mix-MP法についてのレポートをしたいと思います。
院内勉強会にて、副院長の原先生などと3Mix-MP法の活用について色々と
議論してみました。
3Mix-MP法の講習会では、3種類の抗生剤の抗菌力により感染した根管内の
汚い物(感染牙質)の除去は必要なし、極端な意見では根管治療器具(ファィル)
は不要と言うことでした。
しかし、ここまで抗生剤に頼る治療には疑問が残ります。
例えば、耐性菌の問題などクリアにされていない事も、、、
根管充填剤の様に、根管内に残す事にはやはり抵抗があります。
確かに3Mixの抗菌力は他の薬剤より優れているように思えます。
当院で行っているRET深田法は根管治療の方法としては、かなり優れており
殆どの症例で良好な治癒を獲得しております。
難症例なケースとして
1、根尖がどうしても開かないケース(除去不可能な金属ポストの存在など)
2、既に根管が太く、削るとパーフォレーション(穴が開く)したり、歯の強度
が極端に不足してしまうケース
3、極まれにある、従来の方法では時間をかけても炎症を抑えられないケース
などのケースは歯根端切除(外科療法)や抜歯が適応となってしまいます。
この様なケースでは、3Mix-MP法の優れた薬剤の歯への浸透力に期待し、
根管貼薬としての使用が浮かんできます。
ただ、万能薬ではないので全ての症例に効果があるとは思えませんが、
抜歯や外科治療が避けられる望みがあると言う事は意味があると思います。
結論としては、根管治療は従来のRET深田法で十分であり、3Mix-MP法の
根管治療への仕様は極まれな難症例の根管貼薬としてのみ意味があると
考えます。
沢田歯科医院 院長
沢田 明義